火災が発生し無事に消火できたとしても、その後には火災現場の清掃が待っています。火災現場で発生する煤のなかには様々な物質が含まれており、健康被害の恐れがあったり、汚れや臭いを完全に取り切るのは難しいです。そのため、火災現場は規模に関わらず、個人で対応するのではなく、業者に依頼するのが推奨されます。
今回は火災現場の作業内容や、火災現場の復旧に必要な資格について解説していきます。
火災現場清掃は、業者によって細かい清掃方法や流れは異なりますが、大まかに以下のようになっています。
火災現場の清掃は、残置物や燃えがらの撤去からはじめます。家具や建具など燃えてしまったものを片付ける作業で、種類別に分別・仕分けをしていきます。貴重品は確保し、灰はスコップなどですくって袋詰めして、分別したものをそれぞれ火災現場から搬出します。
火災現場で発生したごみを処分していきますが、火災から発生した「火災ごみ」は有害物質が含まれている可能性があるため、普通ごみとして処分することができません。そのため、「特別管理廃棄物」として処分することになります。
特別管理廃棄物として処分するには、「罹災証明書」が必要になります。罹災証明書は、火災にあったことを証明するもので、管轄の消防署に発行してもらいます。
火災現場の片付け作業では大抵の場合、解体作業が必要となります。内装の一部や建物そのものなど、解体工事の内容は火災の規模や状況によって異なります。
内装解体では、焼け焦げてしまった表面の建材を剥がし、内装材まで剥がしていきます。焼け焦げた壁や内装材には有害物質が含まれているおそれがあるため、基本的にすべて剥がします。また、後述しますが煤の焼け焦げた臭いをとるためにも、内装の解体が必要となります。
建物の大半が焼失してしまったら解体工事が必要になります。倒壊や健康への悪影響など近隣への危険などから、早急な対応が求められることが多いです。解体工事自体は一般的なものとほぼ同様ですが、焼け残った残骸の処分費用が高いため、通常の解体工事に比べて費用が高くなる傾向にあります。
火災現場では、出火時の勢いで壁や天井などあらゆる場所に煤が付着しています。内装材や換気扇の中などにまで入り込んでいるケースも多いです。
業者による煤除去は、拭き掃除などである程度取り除いた後、一般的にヤスリやグラインダー(電動工具)を使用して煤の部分を削り、薬剤でコーティングして臭いを閉じ込めます。
火災の焼き焦げた臭いは煤が原因であり、表面上を綺麗にするだけではなかなか取り切れないものがほとんどです。換気することで消臭することも可能ですが、窓を開けての換気だけでは、完全消臭するのに数ヶ月〜数年かかってしまいます。
そのため、業者の多くは消臭に、有害物質も除去できるオゾン消臭を使用します。オゾン消臭では部屋の広さにもよりますが、1週間〜10日ほどで完了します。オゾン以外にも煤除去専用の薬剤や消臭剤を使用して、消臭・除菌を施していきます。
火災現場の清掃には様々な作業が含まれます。その中には特別な届出や資格が必要な作業も。ここでは火災現場作業で必要とされる資格について、各工程でご紹介していきます。
火災によって発生したごみは「火災ごみ」と呼ばれます。火災現場で発生した火災ごみには煤が付いています。煤が付いたものを地中に埋めてしまうと土壌汚染となるため、通常のごみとしては扱われず「特別管理廃棄物」となります。
ただ、火災で発生した火災ごみすべてが特別管理廃棄物にあたらない場合もあります。受け入れ側の判断によって見解が変わります。まずは罹災証明書を発行し、火災ごみをいつ、どこに出し、どのように分けていくのかなど、行政と事前に打ち合わせすることが必要です。
そして、火災現場で発生したごみや燃え殻を撤去する際には、下記の資格が必要です。
※産業廃棄物での処分ではありません。
ただし、火災現場の清掃業者が必ずしもこれらの資格を所持していないといけないというわけではありません。火災現場の片付けをする業者が現場の火災ごみを分別し、「特別管理産業廃棄物収集運搬許可証」「一般廃棄物収取運搬業許可証」を所持する会社が処分するケースもあるためです。
火災現場では、ボヤ程度でも壁紙剥がしや建材の解体といった解体作業が発生します。解体作業は、建築法を知らずに行うと大きな建物被害、人的被害が発生するおそれがある危険度の高い作業です。
そのため、解体業には「建設業許可」「解体工事業者の登録」が必要です。解体工事業者の登録があれば、請負費用が500万円未満の解体工事であれば行うことができます。ただし、500万円以上の工事を受ける場合は、建設業の許可を取得しなければなりません。
なお、解体工事業者の登録には技術管理者の配置が必要であり、技術管理者は下記の資格のうち一つを取得している人が選任されます。
煤の性質上、火災現場では壁や天井など高い場所にも煤が付きます。通常家庭の天井高は2.2mであり、高い場所の煤除去にあたっては、2m以上の高さで行う作業「高所作業」が必要となります。
労働安全衛生法では、「高さ2m以上の箇所で作業を行う場合には、作業床を設け、その作業床の端や開口部等には囲い、手すり、覆い等を設けて墜落自体を防止することが原則」と規定されており、事故防止と安全対策を図るため、高所作業の従事者は特別教育の受講が義務付けられています。
火災現場で消臭・脱臭作業を行うために必要な資格は特にありません。ただ、火災による焼け焦げた臭いは消臭がとても難しく、高い消臭技術が求められます。一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が定める「脱臭マイスター」などの民間資格を取得している業者であれば、完全消臭を提供できる技術があると判断できるでしょう。
なお、消臭作業を行う際に、壁や天井に特殊コーティング法を使う場合は高所作業の資格が必要になります。
いかがでしたでしょうか?
弊社ロードでは、火災現場の消臭・清掃・復旧作業についても、ボヤから大規模火災まで対応しております。難しい現場でも多くの特殊清掃をしてきた実績を持っていますので、積み重ねてきた技術と知識を駆使して、迅速にそして丁寧に作業させていただきます。ボヤ程度から大規模火災まで迅速に復旧できるよう手続きのアドバイス含め、最後まで精一杯お力になります。
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