火災は全国各地、年間を通して発生しており、令和3年は1日あたりおよそ96件もの火災が発生しました(総出火件数35,222件)。そして、全火災のうち建物火災の出火件数が最も多く、その数は1万 9,549 件(対前年比 184 件増)。(出典:総務省消防庁「令和3年(1~12月)における火災の状況(確定値)について(令和4年10月28日)」)
今回は建物火災のなかでも発生件数の多い住宅火災について、出火原因や火災後の片付け、火災保険についてです。
消防庁の調査によれば、建物火災について火元建物の用途別での出火件数ほ、住宅での火災が1万936件と最多で、全体の55.9%を占めます。うち、一般住宅が33.0%で、共同住宅が17.1%となっており、一軒家火災が大半であることが分かります。
住宅火災の要因としては、こんろ(16.1%)、たばこ(11.1%)、ストーブ(7.6%)によるものが多くなっています。こんろによる火災は、全火災のなかでも7.6%を占めています(2,678件)。こんろの種類別では、ガスこんろによる火災が2,247件と最も多く、出火原因の多くは消し忘れによるもの(1,154件)。(出典:総務省消防庁「消防白書 令和4年版」)
こんろの消し忘れは、スマホゲームや電話、宅配便の受け取りなど少し離れてそのまま忘れていたり、調理後にちゃんと消せていなかったりなどです。
こんろで熱した油が加熱され続けて高温になると、白煙が上がり炎が発生し、火災となります。その他、こんろの近くにあるものに着火したり、煮物などを調理するにあたって長時間加熱すると水分が蒸発して高温となり、焦げ付いた食材から発火するおそれもあります。
また、天ぷらを揚げた後の天かすや、油汚れを拭き取ったクッキングペーパーなどから自然発火した事例もあります。これは熱を持った油が空気中の酸素と反応して発熱し、温度が上昇することで発火します。
こんろや家電も多いキッチンは、家の中でも火災の危険性が高い場所と言えます。キッチン火災を防ぐため、火の取り扱いには注意して、日頃からこんろ周りを片付けたり、油汚れを掃除するようにしましょう。
どんなに火災に用心していたとしても、100%必ず防げるわけではありません。
万が一火事になってしまえば、大切な家や財産、思い出までも燃えてしまいます。また、様々な手続きや燃えてしまったものの片付けなど後処理も発生します。
早期に鎮火し、比較的被害範囲の狭いボヤ被害程度で抑えることができれば、家具の処分や清掃など自力で片付けることも可能です。しかし半焼や全焼の場合、業者の力を借りずに原状回復をするのは不可能です。被害範囲が狭いといえど火事であることには間違いなく、適切な処理が求められます。
下記では、個人でできる火災の後片付けをご紹介します。
物が燃える際に発生する煤は、炭素の微粒子で付着した部分が黒くなります。焦げ臭さの原因で、かつ有害物質のため吸引してしまうと健康被害にあう恐れがあります。
早急な煤除去が望まれ、少量の煤であれば、自分の手で掃除することも可能です。煤は、お湯に溶かした重曹やエタノールをスポンジに付けてこすれば、十分落とすことができます。
ただ、ボヤでも火の勢いで煤が部屋の至るところに付着していることもあります。煤掃除の範囲が広かったり、焦げ臭さが取れない場合は業者にお願いしましょう。
燃えてしまったり、煤がついて焦げ臭くなってしまったりと、使用不可となってしまった家財や建具を処分します。火災等によって使用不可となった家財は「り災ごみ(火災ごみ)」と呼ばれ、その処理法は自治体によって異なります。自治体のサイトや電話で確認してから処分しましょう。量が多い場合や自治体ど受け入れていない場合などは、業者への依頼も視野に入れましょう。
煤除去の後は消臭作業が必要です。ボヤ程度であれば、部屋中を乾拭きしたり、1週間~1ヶ月換気すれば焦げ臭さを取り除けます。確実に消臭するために、リフォーム可能で金銭的余裕があるなら床や壁を張り替えるのも選択肢のひとつです。リフォームが必要となる場合もあります。
火事の程度によっては、個人での後片付けも可能ですが、適切な処理が求められますので、無理せず業者への依頼も検討しましょう。
なお、煤除去については、火災保険に加入していれば、ほとんどの場合保険適用となります。煤汚れによる家、家財の損害も火災保険で補償されます。しかし、火事の匂いに関しては火災保険で支払いがなされませんので要注意です。
上記で火災保険の補償について少し触れました。家を購入したり、借りる際に火災保険の話が出ますが、「火災保険は必要なのか」 と思う方も少なくはないでしょう。
そもそも火災保険とは、建物や家財が受けた損害を補償する保険です。火災や落雷、爆発などで、建物や家財が損害を負ったときに保険金が支払われます。
火災保険の補償対象は、「建物」と「家財」の2通りで、それぞれの内容は以下の通りです。
火災保険の補償対象は「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」の3パターンから選択します。
建物のみを補償する火災保険に入っていた場合、火事で自宅が燃えてしまい、家具や家電、衣類など家財に損害が発生しても補償は適用されません。そのため、買い替え費用は自己負担となりますので、万が一の買い替え費用を貯蓄から捻出するのが難しいのであれば、火災保険の補償対象に家財も含めておきましょう。
なお、住宅ローンを組んで戸建て住宅を購入する場合は、火災保険は必須となります。建物部分を補償する火災保険への加入が、住宅ローンの融資条件であるためです。
火災保険は、火災だけではなく、台風や洪水などの自然災害による損害にも備えられます。一軒家に住む人は特に、火災保険への加入がおすすめされます。
いかがでしたでしょうか?
上述のように、住宅のなかでも一軒家は火災の発生件数が多くなっており、住宅ローンの問題からも、戸建て住宅に住む場合は、火災保険の必要性は高いといえるでしょう。より安心したマイホーム暮らしをおくるため、補償範囲や保険金額などを適切に設定した火災保険に加入することがおすすめです。そして、こんろなど火の扱いには注意し、キッチンをはじめとした家の掃除、片付けをして、火災への対策を施しましょう。
弊社ロードでは、火災現場の消臭・清掃・復旧作業についても、ボヤから大規模火災まで対応しております。難しい現場でも多くの特殊清掃をしてきた実績を持っていますので、積み重ねてきた技術と知識を駆使して、迅速にそして丁寧に作業させていただきます。ボヤ程度から大規模火災まで迅速に復旧できるよう手続きのアドバイス含め、最後まで精一杯お力になります。
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